ばんえい競馬
の
生い立ち
北海道の開拓において重い荷をひき、農耕や木材運搬など重要な役割をはたしてきたのが「ばん馬」です。
開拓で苦楽をともにした自慢の馬に力比べをさせたのが、ばんえい競馬の始まりでした。
昭和28年には、帯広、旭川、北見、岩見沢の4市で市営ばんえい競馬が発足します。
昭和40年代後半から50年代後半にかけて、日本経済の好況を背景に、競馬ブームが到来。
ばんえい競馬も平地競馬に劣らぬ人気を集めました。その後、バブル崩壊後の先行き不安からか平成7年から売上げが低迷。
ばんいえい始まって以来の一大危機をを迎えます。平成18年には累積赤字が31億円に膨れ上がり、旭川、北見、岩見沢の3市が開催から撤退することを決定しました。
帯広市は民間の支援を得て、帯広市単独でばんえい競馬を存続させる意向を表明。
平成19年4月に新生「ばんえい十勝」として再スタートを切りました。
「ばんえい十勝」の誕生から16年。帯広競馬場は、市内随一の観光名所として継続的な進化を遂げています。
ばんえい牧場
の
歴史
当牧場は平成27年8月8日に創業者 小森唯永によって「ばんえい牧場十勝」として創設されました。
同牧場が平成27年(2015)に土地を取得してから昨年まで27頭のばん馬を生産し、繁殖を進めてきました。
元々はサラブレットの牧場で、旧牧場の施設も一部活用しながら、厩舎(きゅうしゃ)や調教用のコースなども新たに整備しました。
現在の飼養馬頭数は約200頭で、現在、ばんえい帯広競馬の新馬250頭中、当牧場で毎年40頭以上の生産を行っています。
2023年4月、第3牧場を新設。牧場面積約10万5000平米、東京ドームの4倍以上ある広大な敷地で約200頭のばん馬を飼育しています。
牧場初の
重賞馬
"ニュータカラコマ"
平成27年3月にニュータカラコマ(牡馬)が入牧しました。2008年3月26日生まれ。
父:ナリタビッグマン、母:花姫、その父:エビスキンショウという血統。
2011年のイレネー記念で重賞初制覇、2017年のばんえいグランプリなど重賞を8勝。通算成績は170戦51勝。
2018年3月25日に帯広競馬場で行われた第50回ばんえい記念のレース中、事故により死亡したが、長くトップクラスで活躍しばんえい競馬の盛り上げに多大な貢献をした功績を讃え、「ばんえいアワード2017」において特別賞が与えられました。
ばんえい競馬
“最強馬”
オレノココロ
令和3年3月、ばんえい牧場十勝に入牧し、種牡馬として活躍しました。2010年3月22日生まれ。
父:ウンカイ、母:富士姫、その父:クリフジという血統。2012年5月6日、帯広競馬第4競走(2歳新馬)でデビュー。
2着馬に37秒の差をつけ勝利。その後も勝ち星を積み重ね、格付を上げていきました。
ばんえい競馬の重賞を25勝し、重賞勝利数歴代最多記録を保持しているほか、ばんえい記念(農林水産大臣賞典)も3度(2017年、2018年、2020年)受賞しました。
未来の
“名馬”を
目指して
馬の妊娠期間は約330日。実に、1年かけて1頭の子を産みます。
子馬が無事に生まれ、勝負の世界に飛び立つまで、それから2年。
多くの時間と労力を伴いますが、苦難の時期を乗り越え、
受け継がれてきた『ばんえい競馬』の担い手として
一頭でも多く羽ばたける馬を生み出すことができればと、
私たちスタッフ一同、心から願っています。